夕焼け色の再会
「よかったらそれ、もらってくれるかしら。亜美ちゃんも3月生まれでしょう? ちょうどいいわ」
「そんな、頂けません。叔母さまの大切なものなのに・・・」
知らないうちに、物欲しそうな目で見てしまっていたのかもしれない。
そんなつもりはなかったのに。
「だからあなたにもらってほしいの。私も娘ができたら渡したかったけれど、いないから・・・」
叔母はあまり身体が丈夫でなく、持病の薬の関係で妊娠することはできないらしいというのは前に聞いていた。
どう答えたらいいか困惑して叔父を見ると、叔父はゆっくりと頷いた。
「それじゃあ、頂きます。大切にしますね」
私の言葉でにっこりと微笑んだ叔母に、母の面影が重なった。
美しくて、繊細で、儚くて、そしてあまりにも脆かった母は、今もどこからか私を見て、守ってくれているだろうか。
そんなことを考えた。