夕焼け色の再会
叔父や叔母は私の話を聞きたがった。
私が高橋の家でどう過ごし、学校でなにを感じ、どのように人と付き合っているのか。
今楽しいこと、好きな教科、よく友達と遊びに行く場所、好きな食べ物、なんでも彼らは聞きたがった。
先ほど温室で見せたような姿も、表情も、決してここでは出さない。
これは食事を楽しむための会話なのだ。
場を暗くするような内容はそぐわない。
それくらいは、習わなくたってわかることだ。
その日によって使う食材が違うという前菜のテリーヌは魚臭さがなく、口当たりもとてもよかった。
肉料理は鴨肉のロティ。
鴨肉はクセがあり苦手な人も多いそうだけれど、私は美味しく食べられた。
デセール(デザート)を載せたワゴンから食べたいものを選ぶとき、欲張って数種類選んだ私を見る叔父の瞳は、とても優しかった。
食事の最後のエスプレッソまで胃におさめ、終始にこやかなまま晩餐会は終わった。