夕焼け色の再会

春休み中も、もちろん部活がある。

けれどそれは3月中のことで、4月に入れば部活はない。

教員の異動の関係で、たいていの部はそうなるらしい。


前置きは長くなったけれど、そういうわけで4月に入ってから数日間、私は東京の長谷川家に滞在することになった。




『必要なものはこちらで用意するから、なにも持ってこなくていいのよ』


叔母の菜穂さんはそう言っていたけれど、その言葉をそのまま受け取っていいとは思っていない。

だから、携帯に叔父から電話がかかってきたとき、私は服や細かいものを愛用のキャリーバッグに詰めていた。


「新幹線のチケットは届いたかな」


私が東京へ乗っていく新幹線のチケットは叔父が手配してくれて、それは今日の午後私のもとに届いていた。

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