夕焼け色の再会

急に、太陽に雲がかかったように、叔母の顔から柔らかな笑みが消えた。


「お義母さまがね、『昔に戻ってやり直したい』って言っていたわ」


祖母の不安定な心は、やはり私がここに来たことでさらに均衡が崩れてしまったのだろうか。

私はなんのために存在し、ここにいるのだろう。



「どこをどう間違えたのか。どんな道を選べば正解だったのか。昔に戻ることができたら、きっと正しい答えだけ選ぶのにって」


私もそう思っていたときがあった。

そして今でも、たまに考えることがある。

あの時ああしていたら、こう言っていれば、あんなことをしなければ、と。



「でもきっと、すべての問題を避けることなんて、できないんです」


私のその言葉に、叔母はゆっくりと首を縦に振った。


「そうね。どの時点に戻ってやり直しても、きっと人は同じようなあやまちを繰り返すわ。間違えずになんて生きられないのよ」



何度もあやまちを繰り返し、そのたびに後悔して。


いくつの夜を飛び越えたら、あの日に帰れるのだろう。


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