夕焼け色の再会

私はきっと普通の17歳よりも、命の尊さだったり儚さだったり、生きることの残酷さを知っていると思う。

けれどだからこそ思うのだ。

私の存在は、両親の死の上に成り立っている。

つまり、その命を踏み台にして生きていると。


しかしそれをここで今言うべきでないことはわかっていた。

頭のいいふりをして、少しだけ話題の方向を変えた。


「・・・・そうですね。
あともうひとつ。こんなに良くしていただけるほどの価値が、私にあるとは思えなくて。正直に言うと、戸惑っています」


大人たちは、私が子どもらしく不安を吐露することを喜ぶ。

それをわかっていてすることは、なんてしたたかなのだろう。



大人のふりをした子どもなのか。


子どものふりをした大人なのか。


そのどちらでもないことを認め、受け入れるべきなのか。

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