夕焼け色の再会
「あなたのいう価値って、なんなのかしら」
「え・・・?」
考えていなかった切り返しに、言葉につまる。
たぶん私は、『大丈夫、あなたには価値があるわ』と優しくされたかっただけだったのだ。
だからこそ、叔母の一言にこんなにも動揺しているのだろう。
「価値なんて、ただのものさしにしかすぎないわ。あなたの価値はあなたが決めればいいの」
私がそれを決めたらきっと、私自身はただの人型の“なにか”でしかなくなってしまうだろう。
両親がくれた私の命。
だからこそ、それを無駄なものにはしたくなかったし、そこに価値を見出したかった。
それなのに。
それなのに私は。
自らを自分の手で損なった私は、それさえも。