夕焼け色の再会
「まずは本人の意見を聞かなければいけないんじゃありません?」
菜穂さんのその言葉で、私に視線が集中する。
口の中の物を一旦すべて飲み込んでから、苦笑をつくってその目をかわす。
「高校卒業後のことは、自分なりに考えています。ただ、皇ヶ丘学園大学は受けないです。今言えることはそれだけです」
たぶん、私が選ぼうと思っているのは、彼らの想像もしない道。
反対されることがわかっていて、どうしてこの場で口に出せようか。
まだ誰にも伝えていない、私の決意。
おそらく、賛成してくれる人は皆無だろう。
私のはっきりとした口調の宣言を受けて、叔父が口を開く。
「きみならしっかりと考えているだろうから、心配はしていないよ。ただ、学費のことや生活の拠点をどこに置くかなどは、ちゃんとわたしたちに相談すること。力になれることは多いはずだ」
申し訳なさを押し殺して、一度だけ頷いた。