夕焼け色の再会
叔父がいなくなったあと、一人ここに残されると、不安が押し寄せてきて立っていることも辛くなる。
少しずつ後ずさりをするようにして賑わう輪を抜け、会場の端に辿りつく。
やはり私は、ここにいるべきではない人間。
馴染むことはできない、馴染んではいけない存在。
長谷川の名を捨てて、縁を切り、庶民として暮らすべきなのだ。
後ろ暗いことが多すぎる。
完全に壁の花と化し、ぼんやりと視線を彷徨わせていた私に、薄黄色い液体の入ったグラスが差し出された。
はっとして視線を上げると、そこにいたのはやはりというべきなのか、羽島総司だった。
「レモネード、飲める? はちみつ入りだけど」
受け取らないわけにはいかず、おずおずと手を伸ばしてそれを受け取る。
少しだけ唇を湿らせる程度に口をつけ、グラスを離した。