夕焼け色の再会
赤いドレスの方は結い上げた髪に真っ赤な薔薇がさしてあり、目の周りは過剰なメイクで真っ黒な上に、ドレスと同じ燃えるような赤色の口紅を塗っていた。
青いドレスの方はやたらと不健康に痩せていて、骨の浮き出た手首には何重にもブレスレットが連なっている。
互いにぶつかりあって騒音を出すそれらに加え、サファイアらしき宝石のついたチョーカーが首を飾っているけれど、首が細すぎて似合っていない。
まるで餌を与えられていない犬に巻きつけられた首輪だ。
こちらもまた目の周りは黒塗りで、唇には今にも垂れそうなほどグロスが塗り重ねられていて、そのみずみずしさといったら産地直送の野菜もひれ伏すほどだ。
「やあだ、こっちを見てる。あの目、いやらしいわ。下品ね」
「しょうがないわ。金メッキのご令嬢だもの」
「あら、声が大きいわ。聞こえてしまう」
私のことは侮辱されても構わない。
育ちが良くないことも、とってつけたような令嬢スタイルが似合っていないこともわかっている。
傷つくのは私個人であり、他の誰かは無傷のままだ。