夕焼け色の再会
しかし長谷川の名前は別だ。
私のせいで汚されていいはずがない。
私の存在が長谷川の名を貶めているのならば、言い返すことは絶対にしてはいけない。
彼女たちに、さらに食いつく種を蒔くことになってしまうから。
こうなることは、予想していたけれど。
叔父は、予想していなかったのだろうか。
それとも叔父は、私が傷つけられることには無関心なのだろうか。
惨めさで、押し潰されてしまいそうだった。
「あら、あなたたち、あの方より素晴らしいドレスをお召しになっているとは思えないけど」
突如、そんな言葉が耳に飛び込んできた。
それは、日が傾きはじめた西の空のような、美しい夕焼け色のドレスを着た女性が発したもの。
髪の短いその女性は、背を向けているため顔はわからない。
けれど、恐ろしく華奢なヒールの高さを除いても、その女性の背がかなり高いことはわかった。