夕焼け色の再会
「それから、あなたたちの家には、そんな品のないメイクしか施せないようなスタッフしかいないの? それなのに、あの長谷川のことをどうこう言える?
金メッキはどちらかしら。そうやって飾り立てなければ威張れないあなたたちこそ、剥がれかけた金メッキって言うんじゃない?」
大勢の出席者で賑わう会場は、この険悪なムードをものともしない。
仲裁する人がいるわけでもなく、むしろ若い女性が集まって話しているようにしか見えないのかもしれない。
これは、主催者側の人間である私が人を呼んできた方がいいのではないか。
しかし、この空気を作り出す原因となった私がこの場から逃げ出すような行動をとっていいものかと、ただ焦るばかりでなにもできない。
「本当に高貴な方なら、その雰囲気に高潔さがにじみ出るものよ」
そして女性は、私の方を振り向いた。
「ねえ? 長谷川亜美さん」
我が目を疑った。
そこにいたのは。
「結衣・・・・」
同じ部活で同じ夢を追った仲間。
親友であり戦友。
そして、私が東京を去るとき、父以外にたった一人だけ連絡をとった人物、村瀬結衣だった。