夕焼け色の再会

こちらへ来た日の叔父との会話が思い出される。


“置いてきたものがあるならまた取りに行けばいい。きみが取り戻したいと思ったなら、そこからもう一度はじまるんだ。いつだって間に合うよ”


今、もし私が取り戻したいと思ったのならば、取り戻せるのだろうか。

置き去りにした夢と、友人と、過去を。




結衣の涙は、幾度となく見てきた。

それでもあんなに痛々しい涙を流す姿を見たのは初めてだった。



失いたくなかった大切な人。

自ら断ち切った絆を、もう一度結び直す権利がたとえ私になかったとしても。

求めてみても、いいのだろうか。



私の名前の由来となったフランス語“amie”意味は、友達。

生まれてから最初に、愛情とともにもらった両親からの贈り物。

その真実は私に手を伸ばす勇気をくれた。


もしも伸ばしたその手が振り払われ、ちぎられたとしても、何度だって求めに行けばいい。


もう私は、暗闇で泣いている小さな少女ではないのだから。


< 97 / 119 >

この作品をシェア

pagetop