夕焼け色の再会
大勢の中から叔父を見つけることはとても難儀なことだった。
男性は皆同じような服装をしている。
しかも今の私は長谷川家の後継者ということになっているため、あまり品に欠ける行動をとることもできない。
微笑んで会場を見回しているように取り繕いながら叔父を探すことに焦れていた。
ハイヒールで足が痛んでいたことも忘れ、歩き回ってやっと目的の人物を見つけたとき、私は自分の必死さに気づき笑ってしまいそうだった。
心はこんなにも求めている。
抗う理由など、どこにあるのだろう。
「叔父さま、よろしいですか」
叔父が会話を終え、一人になった瞬間を見計らって声をかけた。
「私、そろそろ部屋に戻ってもいいでしょうか。」
「なにか理由があるのかな」
相変わらず穏やかな物腰の叔父の考えは読めない。
どんな理由を告げてもきっと叔父は私の行動を制限しないだろうが、父によく似たその人に、満面の笑みを向けた。
「大切なものを、取り戻せるかもしれないんです」
叔父は深く、満足げに頷いた。
「行きなさい」
「ありがとうございます」
立ち去る私には、その後の叔父の呟きは聞こえなかった。
「本当にあの子は、兄さんと美波さんに似ている」
そう言って嬉しそうに頬を緩ませていたことも、また。