夕焼け色の再会

結衣と羽島総司のいる場所へ戻ってきた私は、とりあえず場所を移すことを提案した。

別館ではなく、長谷川家の居室のある本館の応接間へと二人を案内した。



妙な沈黙が部屋に立ちこめ、口を開こうにも何を言えばいいのかわからない。


「結衣、婚約者がいたんだね」


仕方なく、そんなどうでもいい発言で、沈黙を破るしかなかった。


「ああ、うん。学校では特に言う必要もないし、総司とも関わらないから公にはしてない。亜美は? 亜美だって長谷川グループを継ぐなら、婚約者ぐらいいてもおかしくないでしょ」

「私!? いるわけないよ!
そもそも私、長谷川グループの人間じゃないというか・・・血族ではあるんだけど、それもつい最近知ったぐらいだし・・・・」


「長谷川家に後継ぎどころか若い血族がいるなんて、聞いたことなかったけど」


羽島総司が口を挟む。


どこまで二人に話すべきか迷い、しかし特に結衣には打ち明けてしまいたいという気持ちが大きくなっていたため、一呼吸置いてから私は言った。



「私の家ことも話すから、結衣のことも話して。結衣がどうしてあの二人を黙らせることができたのかとか、結衣の家についても」


本題からはそれてしまうけれど、とりあえず今日湧いた疑問を解決しなければ、私たちの話は先に進みそうになかった。

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