素直になれない私たち
「人多いね・・。」
私たちは学生だから行けるのはもちろん土日であり、今日は土曜日なため家族ずれが多い。
もちろん恋人も。
「一人ではぐれるなよ。麻美。」
涼は私が方向音痴ということを知ってかそんな言葉を掛けた。
「わかってるよー」
こんなところで一人になったら帰れる気がしない・・・。
「田中方向音痴なの?」
今考えていたことを吉井君に言われてびっくりした。
「こいつマジすごいぞ。」
「そうそういつも迷子になってね・・。」
真紀も呆れたふうに言った。
「もうー。今回は大丈夫だって。」
急に恥ずかしくなった。涼と真紀は小学校からの縁だから今までの私のことはすべて知っている。
これ以上吉井君に言わないでよ!!