恋心 ~Opposite Nature~
予想通り、一組の奴らのラフなプレーのおかげで何度も笛が鳴った。
そんな時、またピピッと笛が鳴った。
どうやら一組の奴と誰かがぶつかったらしく、一人倒れている。
「妃路、大丈夫か!?おい!!」
近寄ってみると、倒れていたのは山中だった。
「誰か、保健室に運ばないと…」
「でも試合が…」
試合終了まで後五分。40対40の同点だった。
「…俺が連れて行く。福田たちは残って試合しろよ」
「でもよ…」
「こいつの望みが優勝なんだろ?二人が抜けたら優勝なんて無理だし、俺が行くよ。あとは頼むわ」
「あ、ああ。わかった。…頼むわ」
意識のない山中を抱きかかえ、保健室へと向かった。