恋心 ~Opposite Nature~
ザッと砂埃が舞い、地面に転がり込んだ。
と同時に声援が巻き起こり、みんなが駆け寄ってくる。
「優勝だよ、山地!!お前のお蔭で、優勝出来たんだよ!!」
「サンキュー、山地!!」
ハイテンションな奴らの間を抜け出し、昇降口近くの水道へと向かった。
肘や膝は擦りむいて、血が滲んでいた。
「お疲れ様、山地くん」
振り向くと、山中が壁に凭れて立っていた。
「やっぱり運動してる時の山地くん、格好いいよ。ありがと」
「別に。お前のためじゃねえよ」
「そう言うと思った。体操服もありがと。洗って返すから」
「いいよ別に」
「それだけは譲れないもん。明日、持ってくるからちゃんと」
「ほんと、頑固者だなお前」
相変わらず。