恋心 ~Opposite Nature~
「山地、ちょっといいか?」
休み時間、福田に廊下へと連れ出された。
「…なに?」
「あのさ、俺…好きなんだ」
「誰を?」
「妃路のこと。あ、山中だぜ?お前じゃなくて」
んなことわかるよ、普通に。
「…で?」
「妃路にさ、頼んでくれないかな。県大会まで…その…マネージャーしてくれって。頼むよ」
「自分で言えよ」
「だってお前、何だかんだ言って妃路と仲良いし…な?」
「悪いけど、無理」
俺が頼むことじゃねえだろ、これ。
福田に背を向けて教室に入ろうとした時、「ま、待ってくれ」と呼び止められた。