恋心 ~Opposite Nature~
ガタッという物音を立て、俺は山中を床に押し倒した。
「…わかったな?」
「…いやだよ」
「は?」
「山地くんがそんなことするわけないから。体育祭で初めて山地くんを見て、それからずっとあたしの憧れなんだ」
思わず山中から離れて、立ち竦んでしまった。
何言ってんだ、こいつ……。
「本当に嬉しかったんだ。山地くんと同じクラスになれて。だから、よろしく」
そう言って俺に握手まで求める始末。
こいつは…アホか。
「…勝手にしろ」
倒れている山中をほったらかしにして、教室をあとにした。