ゴメン、素直になれなくて
「あ!旨い!」


「ほんと?良かった」


手を口に当てて笑う私を歩夢はためらいがちに見た。


「その爪…かわいい色だね」


歩夢は手を伸ばして
さりげなく私の手を取る。


ドキ…


歩夢から私に触れたのは
これが初めてだったりする。


「あ…これ前メールしたペディキュアのやつなの。手にも塗ったの」


「ふ―ん…」


歩夢は私の爪を指で軽く撫でて。



「そういや彩ちゃんも
生チョコ食う?」


歩夢は意味ありげに生チョコをもうひとつ、口に含んだ。



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