ゴメン、素直になれなくて
少し乱れた制服を直しながら
こちらを見ない歩夢の背中を見た。



「歩夢…ごめんね?」


「…………」



気まずい空気

怒ってる…?



「私…帰るね?」


「……………」


引き止めてくれるかも?と期待したけど、さすがに今はないか。


仕方なく私はカバンを持って
そのまま歩夢の部屋を出た。





雪のちらつく中、1人歩く。


家を出ても追かけてくる気配なし…か。


寒さにマフラーを巻き直す。


身も心も寒いってこういう事だね。



ほんと最低のバレンタイン。


去年は先輩と

今年は歩夢と


私のバレンタインは彼氏と喧嘩する運命にあるらしい。



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