ゴメン、素直になれなくて
学年の違う私と歩夢。


校舎も違うし
意識して会わなければ数日間、会わないもんなんだね。


だけど私、知ってるんだ。


あっちの校舎の窓から
歩夢がたまに私を見ているの。


クラスの男子に話しかけられる私を見つめる歩夢。


知ってるから
わざと楽しそうに話すの。


「歩夢くん可哀想だよ。ちょっとやり過ぎ」


そう私に忠告するのは
親友のさっちゃん。



「だけどもう1週間、メールも着信もないんだよ?まじムカつくんだもん」


「だったら彩ちゃんから連絡したげれば良いじゃん」


優しいさっちゃんなら
そうするよね。


「私は歩夢から連絡が欲しいの」


それが私のやり方だし。


「歩夢のくせに…私に歯向かうなんて生意気」


この1週間
不安はどんどん苛立ちに変わっていた。


もう苛立ちしかないかも。


< 21 / 81 >

この作品をシェア

pagetop