ゴメン、素直になれなくて
歩夢はそのまま
ひょいと私を抱っこした。


いきなりのお姫さまにびっくりする私。


「あ…歩夢?」


そんな私の声に

歩夢は私をみてにっこり笑った。


か…かわいい…



同時に私は大切なことを思い出した。


あわてて両手で顔を覆う私。



「彩ちゃん…?」


「やぁだ!見ないで!」


「え?」


「す…すっぴん…なの!」


運ばれながら
足を小さくバタバタさせる私。



もう恥ずかしくて消えたい。


すっぴんな上に
泣いて目が腫れてるんだよ!


最悪だ…!




そんな私に


「俺は彩ちゃんを見たい。」



歩夢はそう言って

私をソファーの上に優しく寝かせた。




「彩ちゃん、見せて?」


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