ゴメン、素直になれなくて
「あ…!ごめん!なんか寝不足で…」


慌て笑う私


だけど歩夢は笑わなかった。


「彩ちゃん…なんで泣いてるの?」


え―…?


頬に手を当てると
なぜだか本当に濡れていた。


「あれ!?なんでだろ?」


私は制服の袖で涙を拭いてから誤魔化すように笑った。


「彩ちゃん…」



そんな私に
真剣な目をした歩夢が言った。




「俺…チョコより彩ちゃんが欲しい」





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