異世界転生記
就活(初バトル)
「好きな時に来い」
余裕そうなシオン
「いいのか?」
「あぁ、本気で来い」
シオンは軽く腰を落とし構えの姿勢をとる
“くうり”以外の初めての魔法、楽しみかも
無表情だった顔が、微かに笑った
(笑った!?)
受付の女性が内心、物凄く驚いたのは彼女だけの秘密
そして陸は軽く深呼吸をして
「じゃあ、手始めに“重加”30倍」
「おえっ」
「“雷槍”」
「うそっ!?」
「“炎龍”」
「ちょっ!?」
「“地爆”“光鎖”“闇弓”」
ドカァァァアアアン
コンクリートのはずの床からすごい量の砂煙が舞った
何が起きたかと言うと、シオンのところだけ重力を30倍にし、雷の槍、炎の龍、足元爆破、光の鎖、漆黒の弓矢が一斉に襲った
「えーと、後は……」
「す、ストップです!マスターは地爆の時点で気絶しました!」
さっきまで観ていた受付の女性が慌てて止めて来た
全属性の最上級試そうと思ったのに
陸の顔がなんとなく残念そうに見えるのは気のせいだろう