複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
―――朝を迎え、私はピーピーと鳴く、鳥の囀(さえ)ずりで目を覚ました。
ブランケットから抜け出し、制服を着て携帯で時間を確認すると6時半。
私は斗真さんの肩を揺すって起こした。
「私、帰りますよ?」
「送るからキスして…」
「甘えん坊ですね(笑)」
私はチュッと、一瞬だけのキスをして、斗真さんの腕を引っ張って座らせ、服を着せた。
斗真さんは欠伸をしながら立ち上がり、バイクに跨がる。
「乗れよ」
「はーい」
私は渡されたヘルメットを被り、後ろに乗って、豊嶋家へ送って貰った。