複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
公園に入り、優香をベンチに座らせた。

水道でポケットに突っ込まれたハンカチを水に濡らして、優香の顔を拭く。



「ずっと…悩んでたんだ。
俺が優香に出来るをずっと」



優香は“ん?”と言うような顔。

俺はハンカチを優香に持たせ、手をズボンのポケットに突っ込み、足元にあった石を蹴る。



「俺、正直に言うと、2年前から優香が好きだった。家族が大好きな、家庭的な優香に、俺は惚れた」



振り返ると、優香はパチパチと瞬きをやたら繰り返しながら俺を見てた。

俺は「返事は今すぐじゃなくて良い」と付け足した。
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