複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
「いやいや…何でそんなにキレてんの;;」



斗真は俺から逃げようとする。



「ぐはっ!;;」



けれど、簡単に逃がす優しい俺ではない。

斗真の首に腕を回して捕まえた。

じいさんの長身(186センチ)が遺伝してくれて感謝。



「おいチビガキ…」



「は?;;だから先生がデカイんだってば!;;」



“だから”…?

“先生が”…?



「先生、俺の事、忘れてませんか?;;」



「誰だ、お前」



俺は腕を離し、斗真の顔をよーく見た。

茶髪にピアスがじゃらじゃらと付いてて、ハーフみたいな顔立ち――…。
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