複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
運転―優香 SIDE―
夕方、空が暗くなって来た為、電気も通ってないマンションで、私は仏間に残ってた蝋燭に火を灯した。
それでも、灯ちゃんと優太の顔ははっきりとはしない。
電力会社に連絡したけど、今日は無理らしい。
ガスと水道は何とか繋げて貰った為、私は温かいコーヒーでも淹れようと立ち上がった。
豊嶋の家を飛び出した時、自然と足が向いた。
バレないとも思ったけど、優太にバレないわけなかった。
私は帰るつもりはない。
バイトをして、切り詰めたら何とか1人でもやっていけると思う。
諦めるしかないなら、私はここに居るのが妥当だと思う。