複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
灯ちゃんを運転席に座らすと、自身は助手席に座る。



「ライトを点けろ」



「はい…;;」



灯ちゃんはウオッシャー液を出す事なくライトを点灯させ、車を発進させる。

私は匠と優太の腕に掴まりながら生唾を飲む。

優太が「恐怖再来…」と呟いたせいで、私は匠と保と目を合わせ、3人で「死にたくない!!」と騒ぐ。



「うっせぇぞボケ――!!」



樹に怒られ即座に黙って俯く。



「…や、優香は別に良いんだ;;」



「弱点発見…」



「―――黙れ、保…」



灯ちゃんの運転もそうだが、樹のキレ具合に、私たちは生きた心地をなくした。
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