複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
「棆太朗は俺の元カノの兄貴!;;
ただの幼なじみだ!!;;」



俺はソファーの方へ逃げながら言う。



「そうか」



樹は何事もなかったようにテレビの配線を弄り出した。

優香は呑気に布団を干してる。

…樹、ごめん;;

“棆太朗は優香の初彼”なんて、俺には言えない。

絶対、俺が八つ当たりされるのが目に見えてる!!

俺はため息を吐きながら、両親の寝室だった部屋で、荷物の整理をしてる保の様子を見に行く。

保は出窓に座りながら、窓の下を覗いてる。



「栞…こんな高さから落ちたんかな…」



聞いてはいけないような一人言を聞いてしまった。
< 165 / 292 >

この作品をシェア

pagetop