複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
誤解―優香 SIDE―
「お前、何でわざわざここで勉強するんだよ?」
リビングで縁ちゃんが樹に泣き付いた。
“瑠奈さん”て人が樹の元カノで、それだけじゃなく、草介さんと知り合いだからって、樹を使って離そうとか…
彼女として、良い気分じゃない。
私が匠を無視して参考書を見てると、部屋のドアが開いた。
そこに居るのは樹だった。
「俺、瑠奈と会わないから」
「そう…」
「瑠奈が草介さんと何かあろうとも、それは3人の…」
「“瑠奈”って何回も呼ばなくても良いよ。耳障りなの…」
私は参考書の上にシャープペンを置き、部屋を出た。