複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
誤解Ⅱ―匠 SIDE―
優香に続き、出て行った筈の縁が戻って来た。
「もう…」
「縁、どうしたの?」
「もう、嫌――ッ!!」
ーーガッシャーンッ
母親の問い掛けも無視して、電話台にあった花瓶を床に投げた縁。
「春たちソファーに座ってな?」
灯が春・徹・朔太郎をソファーに座らせ、珀とホウキや雑巾を取りに行く。
「暴れる前に何か言えよ!!」
優太が縁の両肩を掴む。
すると縁は、「あんたのお姉ちゃんは最低よ――ッ!!」と叫んだ。
「「「「は…?」」」」
兄貴・優太・保と俺の声がハモった。