複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
仲直り―樹 SIDE―
「見てよ、見てよ!」
オムライスを食べ終えた俺ら。
隣に座る春の頭を撫でながら、春の好きなアニメのDVDを見て居ると、目の前に座る縁が、婚約指輪を自慢して来た。
俺がグッと眉間にシワを寄せると、縁が「何で怒るのよ」と言う。
「お前。謝らないのか?」
優太は縁に「さっきはごめん」と謝った。
縁は「ううん。良いの」と言ったきり、指輪の自慢。
縁は大人。
ガキじゃないからと知らん顔してたが、謝る気配はない。
「俺には別に謝れと言わない。
でも、優太がキレたののは縁の言葉が原因だろ。妹を悪く言われた優太の気持ちも考えろ。教育者になるお前が何を考えてるんだ」
縁は俯き、何も言わない。
優太が「良いよ」と庇う。