複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
しかし、優太は受け取ろうとしない。



「優太、遠慮はいらないわよ?
貴方も優香も、私たちの家族なのよ。優香には…私たちの気持ち、まだ届いてないみたいだけど…」



母親は溢れそうな涙を指で拭いながら、優太に封筒をしっかりと握らせた。

父親も「温泉饅頭よろしくな!」と、頷いてる。



「ありがとうございます…」優太は母親や父親に頭を下げ、ブレザーの内ポケットに封筒をしまう。

…ちょっと爆弾発言でもするかなー。

目立ちたいし!



「兄貴さ、優香が好きだろ?」



「―――ブーッ!;;」



兄貴は見事に吹き出した。

ただ、目立ちたいが為の発言が、実は本当だったみたいだ。
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