複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
掛ける言葉はまだ思い浮かばないが、“俺が居る”と教えたかった。

優香は俺を見ながら「手が良い…」と言う。

俺は優香の手を握り締めた。

ピタッと寄り添って来る優香。

優太は鼻水を拭き、「樹が来て良かったわ」と言って来た。

心に温かみを感じてると、おっさんは再びマイクの前へ。



「噂は概ね事実であります…。
あの日、確かにボイコットをされました。しかし夜勤だった整備士たちが点検をし、問題はないと報告を受けました。
あの事故は、必然ではなかったと、思います」



事故に必然も偶然もあるのだろうか…。

謝罪が先ではないだろうか…。
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