複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
祖父―優香 SIDE―
祖父が待つ校門を睨みながら立つ私。
祖父は私を見ながら煙草を吸い、車に凭れて立っていた。
樹だとカッコいいと思う姿も、祖父がやれば、何も感じない。
イラつきだけが、私の心を支配してる。
私が一歩、足を前に出すと、誰かに肩を掴まれた。
「俺らも行くから、そんな眉間にシワを寄せんな」
優太が私を見て、優しく笑っている。
私が微笑み返して頷けば、優太の後ろに居た樹が先に歩いて行く。
「お待たせしました」
樹が頭を下げれば、祖父は煙草を携帯灰皿に入れる。
私は「来ましたよ」と、声を掛けた。