複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
誕生日―匠 SIDE―
朝、起きると母親がルンルンとして居た。
俺が“良い歳して…”なんて思いながら、出勤しようとすると、保が俺を手招きした。
…自分で来いよ…;;
「お前は兄貴を偉そうに呼ぶな」
ガシッと保の頭を掴む。
「あでで…;;」
しかし耳たぶを引っ張られ、俺は保の頭から手を離した。
「母さんのプレゼント買った?」
「……プレゼント;;」
…いっけねぇー!!;;
完全に、母親の誕生日を忘れて居た。
通りでルンルンしてるわけだ。
俺は顔面蒼白になりながら家を出た。
帰りに買いに行かないと、「私の誕生日を忘れたの…?」と、ショックを受けられそうだ。