複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
「…お前、元簿の記入を忘れたのか」



俺が元簿を握ったまま椅子に座って固まってると、兄貴が隣に来た。

俺は「違う、違う!」と首を振り、優香の事を話す。



「…見間違いだろ?優香がそんなバイトする理由がない」



「…確かに…」



兄貴の返事には一利あった。

…でもやっぱ…優香だよなー。

俺は「母さんの誕生日プレゼントも考えなきゃいけねぇのに」と頭を抱えた。

兄貴は「スカーフにすれば?」と言いながら、SHRをする為に職員室を出て行った。

…スカーフか。

まぁ、それで良いかも知れない。
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