複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
俺と保は手で顔を隠しながら呆れた。

匠は「イタイな…」と、壊れたように笑った。

泣き止んだ優香は、ハンカチで顔を拭い、俺を見た。



「何だよ;;」



「プレゼントは?」



優香が“早く出せ”と言わんばかりの顔。

俺が足元に置いて居たプレゼントを渡すと、匠は「俺だってある!」と、何故か必死に渡してる。

縁たちも渡すが、灯だけは渡さない。



「お前は?」



匠が訊くと、灯が俺と優香に目配せをした。

何となくわかった俺が「出して良いよ」と言うと、灯は航空会社の封筒と、茶封筒を出した。

航空会社の封筒の中身はきっと、航空券。
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