白梅香
雨に打たれて染み付いた匂いが
濃すぎて消せない
晒された肌に弧を描いての拒絶
拳銃を向けた先に映るは
君の描いた夢でしたか?
待ち望んだ夢でも
例えそれが夢でも
愛しさに変わりないのなら
不確かに過去を濁し笑う君は
綺麗すぎて言葉に出来ない
両手広げて笑う僕に見せた眼差しは
濁したことは確かですか
二人、見せた 夕暮れとさよなら
まだ仄かに香る雨に
無理矢理笑ってみせて
彩色を侵す朱を全て白黒に変えて
「ねえ、君は笑えているかい?」
苦し紛れね、と 霞む現の中で
繰り返す夢見を憶えて
両手広げて笑う僕に見せた眼差しは
濁したのも事実でしょう
二人、見せた 夕暮れとさよなら
二人、笑う 夕暮れのさよなら