白梅香
私の空が染まらぬよう 貴方の青を手渡し
過ぎた群青に幸福を重ねる
そんな情景を繰り返し 互いに落ちた
過ぎた季節を確かめ合いながら
そんな日々が続いたけれど
過ぎた季節を確かめた隣 いつもの貴方(君)が消えてる
叶わぬ夢だと 貴方 泣いた
日々を殺し生きた代価だと
それでもいいと 私 笑った
死んだ明日でも貴方は此処に
「いつか」なんて曖昧な言葉を嫌う反面
約束に縋る夢を見て
春が来る前夜 眠る貴方が
薄笑いを浮かべる私に遺した
叫ぶ声が聴こえぬなら 触れる温度で伝えよう
この両手でも 冷たくても 色失せても
確かな愛
叶わぬ夢だと 貴方 泣いた
日々を殺し生きた代価だと
それでもいいと 私 笑った
死んだ明日でも貴方は此処に
優しさにまみれて身を滅ぼしたのなら
それでもいいわ 貴方らしいわ 貴方らしいわ
叶わぬ夢だと 貴方 泣いた
日々を殺し生きた代価だと
叶わぬ夢ねと 私 泣いた
失くした明日と消え逝く貴方
二人の明日 追憶の中に
重ねた両手には百合(花)
白い白梅(蕾)見つめる 先には枝分れの紅紐
((十二月の寒空 まだ見ぬ白梅の下))
((結ばれぬ紅紐を千切り 貴方と共に眠ろう))