死神の舞
<うむ・・・。今はそこまで時間がない。またの機会に必ず話す。それまで待っておれ>

「そんな・・・でも、ちょっとくらい!」

<えーい、だまらぬか!!!!貴様のことより今はこっちのほうが大切だ!!!>

「・・・。」

私は意識がはっきりしているものの、まだわからないことがたくさんあった・・・。

ここがどこなのかも、なぜここのいるのかも、そして・・・

・・・私が誰なのかも・・・

<落ち着いたな、では、これからお前には死神となってある使命を果たしてもらう>




        ―ここで、死神になりたくないと言えばよかった・・・

         ここで、ちゃんと自分のことを聞けばよかった
 
         ここで・・・。―

  
  
しかしも遅い・・・。

運命はすでに定まっていた・・・・。

蜘蛛の巣に蝶がかかったかのように、私はもう、どうすることもできない。

できることと言えば・・・運命に逆らわず、従うだけだった・・・。
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