金龍~星たちの絆~
時雨「そういえば葵、髪伸びたね。」

葵「なんか髪伸びるの早いみたい。」

二か月で腰まで伸びた。


「ねえ、あの金髪女の子、超可愛いんだけど。」
「隣の男の子かっこよくない?顔似てるから、双子だよきっと!」


葵「なんか周り煩くなってきたね。」

時雨「なんて言ってるか聞こえる?」

葵「いや、まったく。時雨も知ってるでしょ。左耳の聴力も落ちたって。」



あの怪我で、葵の耳は、ほとんど聞こえなくなった。

補聴器をつければ、だいぶ聞こえるようにはなるが。


葵「後悔はしてないよ。大切な仲間を守れた。それだけで私は、とても幸せ。」


時雨「ああ、そんなの、葵を見てたらわかる。お前、いい顔してるもん。」


葵「そぉ?」



ああ。時雨はそう答えた。

でも時雨は、蓮のことを考えていた。
蓮の落ち込みようは、とてもひどかった。

時雨は蓮の気持ちを知っている。
だからこそ、そんな感情を寄せている葵に守られたことに、後悔してる。


でも、




葵なら、何とかしてくれるはずだ。





< 116 / 156 >

この作品をシェア

pagetop