金龍~星たちの絆~
時「で、話って?」

綾「もう、半年ぐらい前の話なんだけどね、きみ、翔に会ったりした?」

時「会ってたらどうと?」

健「まあ、それはあんまり関係ないねん。本当は、優姫ちゃんを殺した犯人についてなんだけどな。お前さんの兄弟やろ?殺人犯。」

時「お前らと話なんてする気失せた。俺はもう帰る。」

なんだこいつら!!

俺は本当に殴りかかるとこだった。
葵が殺人犯だって?

翔の話を聞いた後、陸也を問い詰めた。何もかも言ってくれたよ。
陸「俺のせいだ、俺のせいで優姫は自殺した。」

そう言っていた。

それがどうしたら、葵が殺したことになるんだ!

葵が目を覚ました時、どんだけパニックを起こしたか。
毎朝のように、「お前は悪くない」と暗示をかけているくらい、葵はまだ不安定なのに。

でも、知らないのもわかる。

翔が言っていた。

翔「兄さんや蓮や、英ちゃんは、本当に優姫のことが好きだったんだ。とくに蓮や英ちゃんはね。だからこそ、ぼくはみんなに真実を言えない。だから、葵さんを支えて。強くなって。天龍がかなう相手にしないで。僕は、無駄な抗争なんてしたくない。」

でも、でも!

いくらなんでも葵が、かわいそうだ。

健「翔は不思議な能力があると思い込んでるねん。今日言われた。『時雨のとこにいこうとしても、何の解決にもならないよ。兄さんたちは、周りを考えて行動したほうがいい。時雨を怒らせることしか言わない。僕は時雨の、味方だ。』ってな。やろうとしてることを言われたのはびっくりだけど、なんら不思議はないねん。俺ら兄弟やしな。以心伝心!みたいな感じの。まあ、お前らが知り合いなんて、驚きやけどな。」

翔、やっぱお前はいいやつだ。
葵のこと、考えてくれている。
あんなに逆らえないって言ったのに、『味方』て言ってくれた。

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