Thus, again <短>
少女の心は、放っておけばその傷に殺されてしまう。
誰かが守ってやらなければ……
そしてその役目を担えるのは、自分しかいない。
浅はかな責任感が、僕を燃え上がらせた。
しかし、当然のごとくそれは、ただの世間知らずの勘違いにすぎないと、14歳の僕は思い知らされる。
親から愛情と置き換えられ、与えられた財布の中身を使って、
少女の前に、目一杯の御馳走や、オモチャを並べてやる。
そうすることで、少女の笑顔を引き出して満足していた。
無邪気な仕草で、僕に擦り寄って、何もかもを僕へと委ねているかのような少女を見て
少女を救い、幸福までも与えてやっているのだと信じ込んでいた。
けれど、そんな傲慢な思い違いができていたのも、ほんの少しの間だけ。
僕は確実に、自身の幼さ故の無力さに気付かされていった。