Thus, again <短>
僕は少女を愛していた。
ただ、守るべきものとして、大切に想っていた。
そしていつしか、与えるだけだったはずのその愛情は、形を変えていった。
けれどそれは、歳を重ねてしまえば、当たり前に変わっていくものだったはずだ。
綺麗に成長した少女に、
無防備に僕への愛情を示す少女の仕草に、僕が求めたもの。
それは、決して異常なものではなく、至極自然なものであったと思う。
僕は少女を愛し、少女も僕を愛していたのだから。
狭い部屋の中で、僕たちは幾度も身体を重ね、
その度に少女は、白く華奢な身体の何もかもを、僕に委ねてくれた。
――出会った頃と何も変わらぬ、無垢な気持ちのままに。
しかし、だからこそ怖かった。
彼女の抱く想いは、僕が創り上げた檻の中で育てられたものだったから。
身体を重ねる愛情の意味を、彼女はまだ、知らなかったから。
そしてその愛情の意味を知った時、彼女が求める先に、僕はいないかもしれない。
彼女の愛が、僕の求めているそれであるかどうかわからないことは、何よりも僕を怯えさせた。
僕は、彼女に拒絶されることが、怖くて仕方なかった。