Thus, again <短>
一体、あれからどれほどの月日が流れたというのだろう。
バスの中で振り返ってみた時、ぎりぎり両の手で足りる年月が経っていることに気付かされた。
何かを成し遂げようと、がむしゃらに走り続ける日々は、驚く暇もないほどに、早巻きで進んでいた。
そしてまた、いつか会いに行こうと、先延ばしにしながら悩める日々も、同じように瞬く間に過ぎ去っていく。
すっかり腕に馴染んだ、チープな時計の秒針を眺めていると、
本当にそんな途方もなくなるような時を刻んだのかと、つい疑いたくなる。
しかし、事実なのは、誰よりも自分自身が理解している。
それは、いつのまにか張りがなくなってきた手や
鏡に映る、少しシワの深くなった顔や
疲労からなかなか立ち直れなくなった身体。
それらがしっかりと、確実な時の流れを教えてくれる。
そして、それはあの子にとっても同じこと。
同じだけの時間が流れているのだということを、僕はちゃんと理解しなければならない。