your love

(もう…意味わかんない…)
涙も出ない。
｢今日のところはこのくらいにしといてやるよ。次はこんなんじゃないから｣
女子生徒はそう言い残し、他の生徒数名と去っていった。
｢は…ははははは｣
里菜が渇いた笑みを浮かべ、こう次いだ。
｢わ…私、たち、調子乗ってた???｣
｢そんなこと…ないょ｣
あーあ…台無し…
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…
昼休みの終わりを告げるチャイム。
｢結局…ご飯…食べれなかったね…ははははは｣
里菜は赤くなった右頬を押さえながら立ち上がり、美月を見、
｢みっ…美月ｯｯ!!!??どうしてｯｯ!!?こっちも叩かれたの!!!??｣
｢あ…うん｣
叩かれた頬が時間差で痛み始めた。
美月はカバンからマスクを２つ取り出し、
｢これ着けて隠そ???｣
と差し出した。
｢うん…｣
とそれを装着した。
教室への廊下を歩き出す。
そこで…
｢あ…｣
会って、しまった。
龍介たちに。
｢ああ～こんなところにいたぁ｣
龍介がそう切り出した。｢なんで来なかったぁ???まってたのに～｣
気まずい。
｢あ…の 先生に呼ばれてしまって…｣
嘘をついてしまった。
｢ふーん… 悪いことしたんだぁ～｣
｢してねぇよ。お前じゃないんだから｣
ﾋﾞｼｯｯ!!!
ビクッ!!!
その音は、二人を震わせた。
｢いてぇーっ!!やめてくれよ～｣
｢…そろそろ、授業始まる。帰ろ??｣
きゅーん…
かわええｪｪｪｪ!!!!
広樹の醸し出す、この独特の空気…
皆一様に帰ってゆく。
｢またなー!!明日は来いよ!!!｣
しばらくして、取り残された二人。
｢…明日…｣