your love
「…おい。何してんだよ」龍介を始めとする六人組が立っていたから。
「え…いや…その…」
「もう一度聞くぞ。
何を、してんの??」
龍介の、普段の様子からは考えられない、ドスのきいた、低い声。
「だから…交流…」
「じゃあなんで嫌味言う必要があんの!!??」
「…龍介、俺が思うに、美月と里菜に嫉妬したこいつらが、鬱憤晴らしにリンチしてた。
…そうだよね????」
にっこり。
不気味ささえ、漂わす笑み。
広樹という人間の大きさを改め思い知る。
「まさかとは思ったけど…本当だったとはねぇ…葉月」
「あたしの言う通りっしょ???」
葉月???何故そんな親しげに???
葉月というらしい女子生徒はこちらに向き直る。「驚きかもしんないけどあたしと隆紀は兄弟ね」
なるほど!!!似てるわけだ!!!!
「…と。そんなことより…」
ぼそっと呟く様に純二が言う。
「てめーら、消えろ」
そう切り捨て、さらに
「邪魔。」
と言った。
女子生徒たちはばつが悪そうに校舎に戻っていった。
そして、一瞬、静寂が訪れる。
「美月ちゃん!!!??大丈夫!!!?」
龍介が美月に向かってかけよって来た。
隣では、
「里菜ちゃん!!!!??」
同じように隆紀が里菜にかけよっていた。
「大丈夫!!!??ケガない!!!??」
「あ…だい、じょぶ…です…」
息も絶え絶え、やっとの思いで答える。
里菜は答えることが出来ず、泣いてしまっていた。
その拍子に、幸か不幸か、マスクがはらりと落ちる。
ーまずい。頬が腫れてるの、ばれちゃう…
そう思い、マスクを拾いあげようとした。が、もう遅く、龍介と隆紀は、二人の頬を見てしまっていた。
「なん…だこれ」
ああ、私の高校生活、終わった…
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